今回は、前置詞“ by ”を勉強します。
“ by ”も、基本的なイメージを覚えてから勉強していきましょう。
“ by ”の基本イメージは、「~のすぐそばに」です。
私は、この前置詞“ by ”を日本語の意味で“ ~によって ”とだけ覚えていたので、大人になって英会話の勉強をし始めたときに、大きな衝撃がありました。
衝撃と言うか、この「~のすぐそばに」と言う“ by ”本来のイメージを覚えただけで、何か道が開けたというか、前置詞“ by ”が、一気に理解できるようになったことを鮮明に覚えています。
以前の覚え方ですと、
by car・・・自動車で(自動車によって)
by telephone・・・電話で(電話によって)
のように、手段や方法しかイメージできませんでしたが、「~のすぐそばに」と言う基本イメージをしっかり認識しておくことで、
by the door. (ドアのそばに)
by the window.(窓のそばに)
by the river.(川のそばに)
のような、何かのすぐそばにいるイメージが自然にわいてきます。
自動車を使った場合も、電話を使った場合も、どちらも“ すぐそば ”にいますよね。
場所「~のすぐそばに」
「~のすぐそばに」と言う基本イメージを覚えたので、このイメージが強い「場所の“ by”」からみていきましょう。
なんとなく前述してしまったので、すでにイメージできてしまっているかもしれませんが・・・
場所を表す場合は、何か主たる物のすぐそばに、ある、いる、場合に使われます。
例えば
I want to live by the sea. (私は海のすぐそば に住みたい。)
He is standing by the window.(彼は窓際 に立っている。)
のように何かのすぐそばに、いる、ある場合に使えます。
それと、場所で使う場合に“ by ”よく比較されるのが“ near ”ですが、違いは「距離感」だけです。
私の以前の感覚ですと「近くの場所」といえば“ near ”をイメージしましたが、もっと近くの場所を表すのが“ by ”です。
つまり、“ by ” も “ near ” も「~の近くにいる、ある」と言うときに使われますが、“ by ” のほうが“ より近い ”場合に使います。
近さのニュアンスは話し手によって変わってくると思うのですが、
私の感覚ですと
by・・・すぐ近く、手が届く、そこに見えているぐらい
near・・・見えていないけど、歩いて2、3分の比較的広範囲の場所
ですので、
I live by the station.(駅に隣接 しているぐらい近くに住んでいる。)
I live near the station.(駅から歩いて3分以内程度のところに住んでいる。)
このぐらいの違いがあります。
ちなみに、地名はある程度広範囲を指すので“ by ”は使えません。
× I live by Kyoto .
× I live by NewYork .
動作主を表す「~によって(受動態で)」
偏って覚えていたせいなのか、中学でこれしか教わらなかったせいなのか、私は、この使い方が一番イメージしやすかったです。
受動態(主語+be動詞+過去分詞)を思い出して欲しいのですが、受動態を作るとき、動作主を表すには“ by ”が多く使われます。
例えば
These cakes were made by Hiro. (このケーキはヒロによって 作られた。)
This car is driven by electricity. (この自動車は電気で 駆動します。)
とかですね。
ケーキを作った動作主は「ヒロ」、自動車を動かしている動作主は「電気」です。
手段
一般的な手段
一般的な手段・・・ってちょっと分かりにくいですが、良い言葉が思い浮かびませんでした。
例えば
I bought an expensive wristwatch by creditcard. (クレジットカードで 高級腕時計を買った。)
のように、何かのアクションを起こすときの手段を“ by ”で表すことが可能です。
この場合は、高価な腕時計をクレジットカードと言う手段 で購入したわけです。
I’ll draw a picture by pencil. (鉛筆で 絵を書きます。)
絵を描く手段は鉛筆となります。
交通手段
手段を表す“ by ”で最もイメージしやすいのは、交通手段でしょう。
I go to school by train. (私は電車で 学校に行きます。)
I go to work by car. (私は自動車で 通勤しています。)
このほかにも
by taxi
by plane
by ship
by bicycle
など、by+交通手段で表現することができます。
運搬手段(空路、陸路、海路)
I’ll send a product by air. (航空便で 製品を送ります。)
Building materials came by ship. (建築材料が船便で 届いた。)
など、by+運搬手段で表現することができます。
運搬手段の場合は、“ by ship(船便) ” や“ by plane(航空便) ” “ by truck(トラック便) ”のほうが、イメージしやすいと思いますが、
by air 空路
by sea 海路
by land(by road) 陸路
という使われ方もします。
伝達手段
I sent a letter by air mail.(エアメールで 手紙を送った)
I’ll contact by e-mail. (電子メールで 連絡しますね。)
このほかにも
by letter
by fax
by telegram
by telephone
など、by+伝達手段で表現することができます。
方法、理由「by~ing」
方法、理由を表す場合は、“ ing ”をつけて、動名詞にします。
つまり
I passed the Bar exam by studying hard.(一生懸命勉強して 司法試験に合格した。)
のように“ study+ing ”にすることで、「~して」「~したから」「~したおかげで」と言う、方法や理由を表現します。
勉強をして (することで) ⇒ by studying
I’m exhausted by working hard. (働きすぎで疲れ果てている。)
働いたことにより ⇒ by working
単位
時間や重さの単位も“ by ”で表現します。
I’ve rented a room by the month. (月単位で 部屋を借りました。)
He gets money by the day. (日雇いで 稼いでいる。)
by+時間 で、「その時間単位で」と表現できます。
他にも
by the hour
by the week
など。
The meat can buy by ounces. (肉はオンス単位で 購入できます。)
by+重さ で、「その重さ単位で」と表現できます。
by grams
by the dozen(ダース)
など。
時間「~までには(期限)」
“ by ”で時間を表す場合は、「~までに」のように期限になります。
例えば
I must finish this work by five. (5時までに この仕事を終えなければなりません。)
Please return this CD by tomorrow. (このCDは明日までに ご返却ください。)
のように使います。
そして、よく比較されるのが「until(till)」です。
「until(till)」も、日本語に訳すと“ ~まで ”になりますが、両者の違いは、完了か、継続かの違いです。
by・・・完了・・・~までに(終わらす)。
until(till)・・・継続・・・~までずっと(継続する)。
○ I must finish this work by five. (5時までに この仕事を終えなければなりません。)
× I must finish this work until five. (5時までずっと、この仕事を終えなければなりません。)
までずっと・・・終えなければっておかしいですよね!!
untilを使うなら、
I must work until five. (私は5時まで(ずっと)働かなければならない。)
になります。